口癖。
”泣く場所があるのなら、星なんて見えなくてもいい・・・・・。”
儚げに微笑む。
オレはそれを、ただ見ていた。
全てを見通せる能力は、
必要以上にを苦しめる。
オレがそれから救ってやれるわけもなく。
自分の無力さを痛感しながら黙っている。
は泣かない。
優しい笑みを浮かべて、何かを見つめているだけ。
だった。
今までは。
「・・・何もかもが、幻だと良いのに・・・。」
ボロボロと涙をこぼして空を見上げていた。
その姿から目が離せなくなる。
そして、オレの中で確実に、
は溢れる者へと変わっていく。
「。」
「・・・蓮・・・いやだな、見られちゃった。」
無理して微笑みをつくる。
心に響く。
言われぬ感情。
「・・・話せ。」
「何を?」
「・・・聞いてやると言っているのだ。」
「ありがとう、蓮。」
嬉しそうにすると、オレの隣へ座り、空を見上げた。
「全てを知りたいなんて、願ったことないのにな。」
「貴様の能力のことか?」
「アハハ。よわっちぃね、私。」
「・・・そうでもなかろう。」
の視線を感じた。
少し、鼓動が早くなる。
「自分が無力だと悟った人間ほど、強くなる。
貴様は強い。だから・・・だから笑っていられるのだ。」
「・・・そっか。
蓮・・・私ね・・・、ずっと色のない、美しいかどうかもわからない場所で生きてきたの。」
「・・・・・。」
「知るはずがないこともわかって、わかるはずもないことがわかって・・・
気が付いたら、自分の気持ちを伝えられなくなってた。
ううん、伝えたくても、どうしていいかわかんなくなってた。」
虫の声。
柔らかい月の光。
頬をくすぐる風。
体中に響くの声。
「泣く場所があるのなら、星なんて見えなくていい。」
「・・・それでは、貴様が苦しい。」
「え・・・?」
抱きしめる。
強く、強く。
鼓動は伝わっているだろう。
それでも、いい。
「ここで泣け。
星は後で見ればいいだろう。」
「蓮・・・。」
「苦しい想いを抱えるな。
貴様はオレよりも弱いのだからな。」
「ありがとう。」
これ以上望むものなど無い位、繋いでやろう。
微かな振動でさえ、心に響く。
貴様は無力だと言うが、
オレには貴様が必要。
幻で良いなどと、言ってくれるな。