巨蟹宮の一室で、向かい合って座りながら、目の前にあるさくらんぼを食べているとデスマスク。
そんなを見ていたデスマスクは、ふと、昔誰かから聞いた話を思い出した。
そう言って、の目の前までさくらんぼの蔕を持っていった。
には、デスマスクの言おうとしている事が分からず、聞き返してみる。
「なんだよ、知らねぇのか? まぁいい、お前、コレを口の中で結べるか?? っていうか、結べ。」
考えた末に出た言葉は、わずか0.02秒で即答されてしまった。
しばらく蔕とにらめっこをしていただが、デスマスクの異変に気づき、急いで蔕を口の中へ入れた。
このままにらめっこを続ければ、自分は間違いなくこの世には存在し続けられなかったであろう。
そう察知したは、とりあえずデスマスクの気の済むようにしてやろうと思った。
「・・・ん・・・・・・ん?っ・・ぐっ・・・・・・。」
どことなく嬉しそうに聞いてくるデスマスクに、そう言ってやりたい気分だった。
いつの間にかの隣に移動してきていたデスマスクは、いつになく優しい声で話しかける。
仕方ねぇな、と呟いた瞬間、デスマスクは自分の唇をの唇に重ねた。
「・・んっ・・・んっぁ・・・・・・ふっん・・・・・・・・。」
頭がボーっとするような、神経から溶けそうな深い深いキスに、はしばらく抵抗していたが、
さっきまで2人が食べていたさくらんぼの甘い香りがほのかにするだけ。
そして、今までが含んでいた蔕も、一緒にとってやった。
いつまでたっても返事をしないに、もう一度、と言わんばかりに顔を近づけて聞く。
真っ赤になりながら否定するを、デスマスクは素直に可愛いと思った。
「最初にデスマスクが言いたかった事って、何なの??」
はずっと気になっていた事を聞いてみたが、当のデスマスクは、そんな事はすっかり忘れていたらしかった。
呆れたように言うだったが、デスマスクは、気にも留めず話し始めた。
「あれはなぁ、蔕を口の中で結べるヤツはキスが上手い、って聞いた事があってな。お前はどうかな? と思ったんだ。」
わっはっは、と笑うデスマスクの顔面に右ストレートをかまして、は後ろを向いてしまった。
デスマスクに背を向ける事がどんなに危険な事か、この時のには考えている余裕はなかった。
案の定、デスマスクは(自分の頬をさすりながら)を後ろから抱きしめた。
抵抗するかと思って少し強めに抱きしめたデスマスクだったが、は何の抵抗もすることなく、ただ俯きながら涙を流していた。
デスマスクは腕を解いて、の正面に回り、目線が同じくらいになる位までしゃがんだ。
そして、落ち着くようにと、ゆっくり頭を撫でてやる。
さっき自分がされた様に、デスマスクの舌を自分のそれに絡めて。
だが、の唇が離れていくにつれて、これは夢ではないと確信していった。
は、瞳に涙をいっぱいためてデスマスクに問いかけた。
もしかして、が泣いていたのは、これが原因だったのか??
「そんな事じゃないもん!! なによ!! デスマスクのばかぁ!!」
「そんなに気にしていたのなら、謝るよ。・・・・悪かったな・・・・・。」
素直に謝ったのが意外だったのか、は黙ってデスマスクを見つめていた。
「いや、デスマスクでも謝る事ってあるんだなぁ、と思って・・・。ちょっと意外。」
代わりに出た言葉は、を傷つけるだけだと分かっていても、つい言ってしまう。
「・・・忘れんなよ。確かに謝ったが、下手だって事を取り消した訳じゃないんだぜ。」
デスマスクがそう言うと、は案の定、曇った表情を見せたが、続けた言葉は彼女を笑顔に戻すだけの力を持っていた。
「下手なら、これから上手くなればいいんだ。 つきっきりで教えてやるよ。」
・・・・・今日もデスマスクとの特訓は続く・・・・・・(??)