雨が降り続いていた。
軽い頭痛を感じながら、
リビングのソファで、独りくつろいでいる。
キッチンには。
聞こえてくる歌に耳を傾ける。
あまり意識をして聴いたことはなかったが、
なかなか上手い。
・・・選曲が良いのか・・・?
ふと耳に付く歌詞。
”駆け出して行く想いは何処かで君に 会えるような予感がして”
「フッ・・・・・。」
楽しそうに食器を片づけているの背中を見つめた。
今は当たり前のように傍にいる。
少し前は違った。
”ただ願わくば、の全てが欲しい”
願ってやまなかった。
そんな日々を鮮明に思い出している。
・・・そう、あの日・・・・・。
雨だった。
水に濡れると、軽い頭痛を感じる。
執務から帰ってきても、誰もいない広い双児宮。
・・・冷たい自分の部屋。
コーヒーも入れる気もしなくて、こうしてソファでくつろいでいた。
そして、そのまま浅い眠りへと入っていった。
夢の中のは、
少しオレから離れていた。
触れたくて、手を伸ばす。
触れたと思った瞬間、
優しい微笑みを残して・・・何処かへ消えた。
それが、どうしようもなく寂しかった。
だから目を開けた。
夢の余韻が支配して、
はっきりと覚醒出来ない自分。
感じられるのは、消えてしまった夢の中の人。
消えてしまったはずなのに、こんなにもしっかりと気配を感じる。
・・・姿がないのに・・・。
立ち上がって自宮を出て、
聖域の何処にいるかわからない愛しい人を捜した。
ただ、逢えるような予感がして。
雨は少し小振りになった。
だが、未だに降り続いている。
あの日見た夢の人は、こうして傍で本を読んでいる。
不思議な感覚。
「・・・。」
「ん?なに、カノン。」
「・・・・・今でもよく、の夢を見るよ。」
夢の中のお前は消えてしまう。
目を開くと、幸せそうなの寝顔があって、
オレは心底ホッとする。
何処にも行けないようにこの腕の中に閉じこめておきたい。
・・・決して消えてしまわないように。
そしてオレはまた浅い眠りの中に落ちる。
あの日のように無邪気なが
傍に居る夢を見る。
愛しいの・・・夢を見た。
両手に溢れる安息を優しく奏で、
夢の中で微笑むオレだけの、の夢を・・・・・。