。」
 
 
その日、めずらしく蓮に呼ばれた。
 
いつもとは違った表情。
なんか・・・深刻な・・・。
心の中が、見えそうで見えない。
 
 
 
 
 
「何、どうしたの?」
「・・・・・。」
 
無言で手を引いて炎を出た。
そして蓮の中が見える。
 
 
 
「なぁんだ、言ってくれればいいのに。」
「む・・・貴様、見たな?」
「そうじゃないって。強く思っていると、伝わっちゃうんだって。
それは不可抗力だよ。」
「・・・ならば話が早い。何とかしてくれ。」
「うん。でも・・・、どうしよう。」
「おいておけ。」
「そうだねー・・・。じゃ、言うから待ってて。」
 
 
 
を呼び寄せて、簡単に説明する。
 
『は?メシを作りに行く?アホか、は。』
「む。なんでよー。蓮は本当に困っているんだよー。」
『・・・おい蓮、お前・・・。』
「うるさい。さっさと帰れ、扇風機の精霊。」
行くな!!ー!
「いっちきま〜す。」
 
 
 
 
 
 
大騒ぎなをおいて、
私と蓮は、まず買い物をしにHEIYOへと向かった。
 
「何が食べたい?」
「なんでもいい。」
「それじゃ作んない。」
「何?」
「蓮が喜ぶ顔を見たいんだよー。なに食べたい?」
「ひっ・・・冷やし中華。」
「うん、わかったー。」
 
 
 
 
 
デザートに杏仁豆腐。
桃まんが美味しいところのを買って、
中国緑茶を買って。
 
私は楽しかった。
・・・楽しかったんだけどー。
 
 
 
 
「どうしたの?なんか気に障る物があった?」
「い、いや・・・ない。気にするな!」
「え?あ、うん・・・。顔真っ赤だよ?大丈夫?」
「だっ、大丈夫だ!」
 
 
 
心なしかフラフラしている。
ホントに、大丈夫なんかな。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『こちら偵察隊でござる。』
『おお、ぼっちゃま。』
『・・・気分は忍びでござるな、馬孫。』
『見てみろ、阿弥陀丸。ぼっちゃまのあのしあわせそうなお顔を・・・。』
『えっ?しあわせそうな顔なのでござるか?
拙者てっきり・・・何かを我慢しているのかとおもったでござるよ。』
『フッ・・・お前にはわからんのだ。』
『いやぁ、馬孫以外はわからんでござるよ。』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
蓮の家に着く。
なんだか小綺麗にしてあって、居心地がよかった。
家具や調度品が本場の物だけあって、趣がある。
 
 
 
「じゃあ、ちゃちゃっと作っちゃうから、待っててね。」
「・・・頼む。」
「蓮〜・・・。」
「な、なんだ。」
「ヘヘへ。蓮に頼まれちゃあ、頑張らないとね。」
 
 
 
 
 
 
 
 
『これ以上は近づけないでござるよ〜。』
『普段のぼっちゃまならお気づきになられるが、今日ばかりは違うようだな。』
『すっかり”恋する者”の目でござるよ。』
様ならぼっちゃまを深く深くご理解しているから、
安心して奥方になって頂ける・・・嗚呼、馬孫、嬉しいッ!』
『・・・ば、馬孫・・・凄まじいぼっちゃま愛でござるな・・・。』
『ぼっちゃまのしあわせ・・・之即ち馬孫のしあわせだからな。』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「はーい、おまたせ〜。」
「・・・む、これが冷やし中華か。」
「ん?蓮は食べたこと、なかったの?」
「初めて食べる。」
「そっか。じゃ、いっただきま〜す。」
 
 
 
ちゅるん
モフモフ・・・
 
 
 
 
「なんだ。」
「どう?」
「・・・べ、別に・・・。どうってことはない。」
「ヘヘへ、そっかー。」
「全く・・・ずるいな、は。」
「そう?じゃあ蓮がもっと素直になればいいんだよー。」
「なっ!ば、バカなこと言うな。」
「素直になれば、そんなに思いつめなくてもいいから、私にも伝わらないのに。」
「・・・・・フン。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『馬孫、よかったら通訳してはくれまいか?』
『いいだろう・・・いいか、阿弥陀丸。
ぼっちゃまは、この食事で、様を奥方に迎えることにしたのだー!
『き、殿を?
しかし、馬孫・・・殿のお気持ちは・・・どうなるでござるか?』
『阿弥陀丸、ぼっちゃまが振られると言うのか?』
『へ?』
『フッ・・・あの蓮ぼっちゃまだぞ?振られるわけがなかろうて。
『・・・・・・・・・そ、そうでござるな。いや、ハハハハハ。』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「さてと。片づけて帰らなくっちゃね。
アンナやが心配してると思うし。」
「・・・・・あの女なら、今日は帰らんぞ。」
「え?なんで?」
「出雲に行った。呼び出されてな。」
「うそ。んじゃ、葉も?」
「そうだ。ホロホロもいない。」
「ホロホロはどこ行ったの?」
「フッ・・・・・さぁな。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『どこ行ったんでござるか?ホロホロは。』
『・・・押入。』
『は?!』
『ぼっちゃまが押入に・・・。』
『き、気の毒に・・・。』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「じ、じゃあ、私・・・か、帰るね。」
「何を怯えている。」
「え?いや、アハハ・・・。」
「わかるのだろう?オレの言いたいことが。」
「不敵な笑顔・・・ええ、わかりますとも。」
「ならば、聞かせてもらおうか。」
「な、何を?」
「答えだ。
オレはあいにく貴様やあの女ではないからな、
言葉でないとわからないのだ。」
「う・・・んとね。
はぁ〜・・・私の心も伝わればいいのにな。」
「オレは気が短い。」
「もらってやってください。」
「・・・フン、よかろう。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『・・・なんか殿が蓮にお願いしたような感じになってしまったでござるな。』
『なんにしろ、ぼっちゃまもこれで葉様と対等になったわけだ。』
『まさか、葉殿と対等になりたくて・・・殿に言ったのではござらんな?』
『もしそうだったら、様はお返事したか?』
『・・・それもそうだな。』
『さて、私は潤様にご報告に行く。お前はどうするのだ?』
をなぐさめに行くでござるよ。
きっと炎でやきもきして待っているでござろうからな。』
『では、またあとで。』
『馬孫!』
『なんだ、阿弥陀丸。』
『・・・よかったでござるな。』
『・・・・・ありがとう。』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「なんか、傍目から聞いたら私が蓮にお願いしたみたい。」
「願ったではないか。」
「・・・もういい。帰る。」
「帰れるものなら帰ってみろ。扉に鍵を閉めたからな。」
「ズルー!」
「フン、何とでも言え。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「え?蓮にお嫁さん?」
『はい、潤様。』
「もしかして・・・ちゃん?」
『ご存知でしたか・・・。』
「嬉しい。可愛い義妹もったわ〜。
早速チャイナドレスを買いにいかなくっちゃ。
馬孫、報告ありがとうね!」
『はっ。』
 
 
 
・・・ぼっちゃま、祝福されておりますぞ。
馬孫も、嬉しいです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「で・・・いつ嫁に来るんだ、。」
「え?」
「いつ貰いに行けばいいかと聞いているのだ、。」
「・・・アンナに相談。」
「くっ。」