季節は秋。
 
つい最近まで本当に暑かったのかと疑うくらい、
今は涼しく過ごしやすい。
朝晩は冷えるほどだ。
 
 
 
午前中の仕事を終えて、縁側で眠っている者が1人。
しあわせそうにしているその頬を掠める風は心地よく、
眠りを誘うにはもってこいだった。
 
 
 
 
 
「・・・が落ちてる。」
 
 
いつものように愛しいに逢いに来る者の1人・ハオ。
縁側で眠っているを見つけて、嬉しそうに微笑んだ。
 
 
「可愛いなぁ、・・・たべちゃいたい。」
 
 
 
眠っている者が起きないようにそっとくちづけ。
それでもは目覚めない。
くすぐったそうに眠っている。
 
 
「・・・これじゃあ足りないのかな、は・・・。」
 
 
都合良く解釈すると、その行為はエスカレートしていく。
 
 
 
 
 
 
「・・・ハオ、わかってやってんでしょうね。」
「うっ・・・・・き、君は・・・・・。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
昼下がりの午後。
はまだ夢の中にいた。
 
何もなかったかのように、しあわせそうに眠っている。
 
 
 
 
「お、じゃねぇか。」
 
に逢いに来たホロホロは嬉しそうに駆け寄った。
 
「・・・寝てんのか?」
 
 
ホロホロの問いかけには応答しない。
眠っているのを確認して、ホロホロはの傍へと寄った。
 
 
 
 
 
いつも、まともに見ているようで見ていないの顔。
整った綺麗な顔立ち。
透き通るような肌。
規則正しい小さい寝息。
そして、
時折聞こえる眠りの中のの声。
 
 
 
・・・・・。」
 
 
そっとくちづける。
心の中の想いが、溢れ出す。
 
 
はそれでも眠っていた。
それはそれはしあわせそうに・・・・・。
 
 
・・・好きだ、・・・・・・。」
 
 
ホロホロは、を抱きしめるために体勢をかえようとしていた・・・・・。
 
 
 
 
 
 
 
「アンタ・・・自分がやってること、理解できてんの?」
「ぐわぁっ、あ、アンナ!!」
「気やすく呼ぶな・・・・・。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
暖かい陽の光はゆっくりと落ちていく時間になる。
少し肌寒さを感じたのか、はぼんやり起きていた。
 
なんだかリアルな夢見たなぁ。
 
そんな風に・・・。
 
 
瞳はかろうじて開いている。
意識は夢と現実の狭間にいた。
 
 
 
 
 
「・・・そんなところでは風邪を引くぞ、。」
 
蓮はいつものように炎にやってきた。
彼もまたに逢いたいが為にやって来た者の1人。
 
 
、聞いているのか?」
 
返事はない。
まだ夢の中寄りに意識は傾いている。
 
 
 
 
縁側に座っていたが、コロンと転がって横になる。
その仕草に込み上げる感情を感じながら、
蓮はの傍へと寄る。
 
 
。」
「・・・・・蓮?
私、蓮の夢を見ているのかな?」
 
 
 
彼女は蓮に触れ、うっとりと微笑んだ。
 
 
 
 
蓮は嬉しく思っている。
夢の中でも自分に逢っているのかと思ったからだ。
そして、同時に一つの企みもよぎる。
 
 
”夢とかこつけて・・・・・。”
 
 
夢のオレなら素直になれるだろう。
がしっかり目覚めたときに、否定すればいいだけのこと。
 
そう考えながら、横になっているを起こして抱きしめた。
 
 
・・・愛している。」
「・・・夢の中の蓮は・・・大胆だなぁ。」
 
ぼんやり呟く彼女に、深いキス。
されるがままのは、虚ろな眼差しで蓮を見つめる。
 
身体の奥で何かが呼び覚まされたように、
蓮は抑えていた熱い衝動に駆られた。
 
 
 
 
その時。
 
 
 
 
 
 
「とんがり・・・アンタだけは許さない。絶対にね。」
「きっ・・・貴様・・・・・!!!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
辺りはすっかり夕闇に包まれていた。
は夕飯の支度を調え、縁側に座って空を見ている。
 
アンナは先ほど、用があると言って出ていってしまった。
竜やまん太の姿もない。
そんなことはあまりないのだが・・・・・。
いつもいるはずの、
ハオ・ホロホロ・蓮の姿までもない。
 
心細いな、と、ぼんやり考えていた。
 
 
 
「ただいま・・・・・。」
「お帰りなさい!葉、1人?」
「あぁそうだが・・・なんだ、も1人なんか?」
「うん。みんな居ないの。アンナもどこかへ行っちゃった。」
 
 
寂しそうに下を向く
葉は心の中でそっと思う。
 
”チャンス到来”
 
 
「・・・まぁ、こんな日もあるさ。」
「そうかな?」
「そうだよ。」
 
 
優しくに微笑んで、隣に腰を下ろした。
 
並んで見る月は美しく、
静寂の中でもけっして気にならない。
それは、が居るから。
誰よりもいちばん傍に自分が居るから。
 
 
の手を優しく握る。
 
「・・・オイラがの傍にいる。
だから、寂しいことはひとつもないんよ。」
「葉・・・ありがとう。」
 
 
微笑む
その笑顔は自分だけのもの。
 
そっと頬にくちづけた。
 
触れるだけのものだったが、今はそれでいい。
・・・今は・・・・・。
 
 
「よっ、葉・・・・・わ、私、夕飯の支度してくる。」
「ああ・・・頼む。」
 
恥ずかしそうにしながら、
愛しいは台所へと駆け込んでいった。
その様子を嬉しく思う自分が居る。
 
 
そんな瞬間。
 
 
 
 
 
 
 
ぎゃー!
「よ、葉?!」
 
 
 
が駆けつけた後はもぬけの殻。
 
自分の傍にいる、と言った葉もいない。
 
「・・・なんだ、結局私独りなんじゃん。」
 
 
 
は、葉のキスを夢のように思った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あれから30分、
アンナが帰宅する。
 
寂しくて抱きついてしまったが、アンナは自分を振り払おうとはしなかった。
 
「アンナ、どこいってたの?」
「・・・アンタには関係ないわ。用よ、用。」
「ふぅん。ま、いいや。
とにかくご飯にしようよ。いま、支度するね。」
 
 
自分が帰ってきたことを、本当に嬉しそうにする
不思議な感情が湧き起こり、アンナに笑みをこぼさせた。
 
 
そしての美味しい夕飯を頂くことが出来たのは、アンナだけ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ある山の森の中。
 
「・・・・・侮れないね、あの彼女は。
早く戻らないとなぁ・・・が僕にご飯を作って待っているというのに・・・。」
「嗚呼〜!!!ちくしょう、もうちょっとだったのに!
ぁ−!愛してるぞーーーー!!!」
「・・・・・・・・オレの・・・・・。」
「式神がいたなんて・・・不覚だった・・・・・オイラとの甘い時間が・・・・・。」
 
 
 
 
 
を襲った4人組は、
アンナの1008の数珠に縛られていた。